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知っておきたいからだの仕組み・9ユニット

中枢ユニット、連結ユニット、末端ユニットの考え方

人間の動きを構成する
知っておきたいからだの仕組み・9ユニットと回復の考え方

中枢ユニット
連結ユニット
末端ユニット

中枢ユニット

0 仙腸関節

役割

骨盤とは、腸骨と仙骨の総称を表し、それらを繋ぐ関節部分を仙腸関節といいます。仙腸関節は、負荷吸収装置の役割も担っており、地面からの衝撃を吸収すると共に、上半身の体重を支える事が出来る強靭な仕組みになっています。

痛みの原因

上半身と下半身を繋いでいる仙腸関節は、負荷を吸収する役割を持っている事から、腰の関節と共に疲労が蓄積しやすく仙腸関節と関わる殿筋群は、最もリカバリー体操が必要になるユニットになります。

回復の考え方

各関節における関節包や靭帯は、加齢と共に線維化し、柔軟性と可動性を失い、80歳ぐらいで、骨化していく事もあるため、リカバリー体操を6か所中心に行 い、柔軟性を正常に保ち、血流を促進させ、運動連鎖を保つ事が、動きの中心となる仙腸関節にはとても重要です。

0(1) 腸腰筋

役割

“歩く”、“立つ・座る”、“上る・下りる”、“屈む・しゃがむ”に おける動きの起点となり、人間の動きの要となる筋肉で、自転車で言うとペダルのような動力源になるユニットとなります。

痛みの原因

腰痛、膝痛、鼠径部の痛みは、腸腰筋をまずは見極めていく必要があります。日常生活やスポーツシーンにおいて、仙腸関節と共に腸腰筋は固くなりやすく、骨盤の動きへの問題は顕著であり、立ち上がった時に腰が伸びない、足が前に出しにくくなるといった事へ繋がり、からだの中枢部分の動きが滞る結果、腰痛になるリスクは高くなります。

回復の考え方

つまづく、太ももが上がりづらい、歩幅が狭い、反り腰、へっぴり腰、腹筋の時に腰が痛い、膝痛、腰痛があるという方は、腸腰筋に問題が出ている事が非常に多いです。 そんな方はまずは腸腰筋と仙腸関節のリカバリー体操をセットで行ってみて下さい。どちらかもしくはどちらも痛みがあれば回復のサイン、日々のリカバリー体操で回復を促進する事ができます。

連結ユニット

1 背骨

役割

仙腸関節、腸腰筋から連動して動く背骨は、頚椎7、胸椎12、腰椎5、仙椎5、尾椎3~5から形成されています。 椎骨の中には、椎孔が背骨全体を通じて脊柱管を作り、その中に脊髄が存 在します。肋骨は12本あり、11、12番は浮遊肋骨と言われ、不安定な状 態で存在するため圧迫や転倒による骨折には気をつける必要があります。

痛みの原因

頭部から臀部までを結ぶ背骨において最も重要な事は“柔軟性、筋力、軸”になり、仙腸関節、腸腰筋といったからだの中枢からの運動連鎖は、頭部から足先にまで様々な影響を与えます。 仙腸関節及び腸腰筋、股関節etc...に問題があると、背骨に対する活動量が増 えるため、首こり、肩こり、腰痛やギックリ腰、足の歪みetc...のリスクが高くなる事が考えられます。

回復の考え方

背骨の軸、筋力、柔軟性をつかさどる腹横筋(腹筋のインナーマッスル)、多裂筋、骨盤底筋群、横隔膜の働きが正常かどうかを見極め、必要に応じてリカバリー体操&リカバリートレーニングを行う事が、回復へのファーストステップになります。

2 股関節

役割

仙腸関節、腸腰筋の動きの連鎖を元に、6方向の動きを行います。9つのユニットの中で、肩の次に多くの動きをする股関節は、日常生活、スポーツなどで足の動きの舵取りの役割をしています。

痛みの原因

6方向と動きが多岐に渡るため、ゆっくり過ぎる歩行、鞄などが原因の偏った歩き方、立ち方、座り方や階段 の上り下りを行っていると歪みが起こり、膝や足首、腰に問題が起こりやすくなります。起こり得る事としては、反り腰、猫背、ストレートネック、O脚、変形性股関節症、変形性膝関節症、外反母趾、内反小趾といった遠位部にまで影響が 起こる可能性があります。

回復の考え方

股関節においての回復は、特に日々の“正しいからだの取り扱い方”と見極め後に必要と判断されたリカバリー体操を行う事になります。その積み重ねこそが『一生 自分の足で歩き続けられる身体創り』 につながるのです。

3 肩甲骨

役割

肩甲骨は、からだの中で唯一触れる関節として存在します。肩8方向、肩甲骨6方向がセットで同時に動く事を肩甲上腕リズムといい、最も多くの動きを行う肩甲骨は、日常生活やスポーツにおいて手の動きの要となる役割をしています。

痛みの原因

デスクワーク、肩掛けのバック、重い荷物、腕をあげない生活などにより、肩甲骨と肋骨に癒着がおこりやすく、正常な動きができなくなることがあります。その問題が起こると筋膜の繋がりから 手首、肘、首、腰、股関節、膝、足首に至るまで痛みや違和感が起こる事があります。

回復の考え方

腕を動かす時に、肩と肩甲骨が共に動く事を肩甲上腕リズムと言います。肩甲骨の回復において重要な事は、14方向の動きを担う肩甲骨の周りのユニットである首、手首からまずは見極め、リカバリーを進めていく必要があります。

4 膝

役割

股関節と足首を繋ぐ膝は、曲げ伸ばしのみの肘と同じ2方向のシンプルな動きを行います。そのため膝が歪む、捻れるというのは、股関節と足首が原因となるのです。

痛みの原因

膝の動きは、曲げ伸ばしのみとなるため、膝が原因のように見えるO脚やX脚 などは、膝以外の骨盤、股関節、足首等のマルアライメント※1 が原因に なります。 反張膝や鵞足炎といった膝の問題に対しても、正しいからだの取り扱い方、正しい姿勢が第一の原因となってきます。

回復の考え方

3cm以上のヒールは、骨盤、背骨、股関節、膝、足首など全身のマルアライメント ※1 を引き起こすため、履く度にリカバリー体操が必要になります。 日常生活における膝への荷重は、歩行で体重の約3倍、階段では約5倍の 体重が膝にかかると言われている事もあり、痛みや歪みからのリカバリー を進めると共に、正しいからだの取り扱い方、正しい姿勢、運動連鎖を見極めていく 事が必要になってきます。

※1 骨の並びに異常が生じていることを指します。

末端ユニット

5 首

役割

頚椎の骨は7つで構成されており6方向に動きます。上から1番目の環椎と2番目の軸椎が全体の動きの50%を担っていると言われています。

痛みの原因

ストレートネック、頚椎ヘルニア、首こり、肩こりはほとんど姿勢が原因となります。例えば、肩が前に入っている猫背の方は、胸の筋肉が縮まって固まり、背中の筋肉は伸びて固まります。あまり知られていないかもしれませんが、筋肉は伸びても固まるため、からだの軸を中心にする事で、筋肉の緊張が正常化され、正しい姿勢へと繋がり、痛みや不調が回復する第一歩になるのです。

痛みの原因/回復の考え方

頭部は4~5kgあると言われており、パソコンやスマホ、デスクワークにて、首を前に傾ける角度が大きくなるにつれて、首は元より、胸、背中、腰への影響は大きくなります。頭部と共に脳に関しても回復にはとても重要であり、全身を支配している事から頸椎の状態を踏まえた頭蓋骨の位置、そして全身の骨格のバランスが一人一人存在する為、その位置を見極めていかなければ本来の回復へ繋がりません。

6 足首

役割

骨盤・股関節・脛骨の運動連鎖を通して、体重がかかる足首は4方向あり、それぞれのユニットが規則正しく動く事で、正常な機能を果たしてくれます。

痛みの原因

足底筋膜炎、外反母趾や内反小趾、様々なケースにおける痛みや変形は、ほとんどが骨盤、股関節、膝、足首のマルアライメント、正常ではない動き、正しくないからだの取り扱い方が原因となります。

回復の考え方

足首は、外反母趾や内反小趾といった骨が変形するほどのダメージを受けるユニットとなる事から骨盤から丁寧に見極め、日常生活における正しいからだの取り扱い方を徹底し、姿勢を維持する為に必要な腹筋の4層目に当たる腹横筋のインナーマッスルトレーニングを日常の動作に近い種目にて習得する必要があります。

7 手首

役割

日常生活で一番使うといっても過言ではない手首の動きには4方向あり、手指間や手首、前腕に固さが出ることが多く、筋膜の繋がりから何かを握ったり、支えたりする事で上腕二頭筋、上腕三頭筋、大胸筋、広背筋、頚部の筋肉、筋膜に問題が出ることがあります。

痛みの原因

腱鞘炎、ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)、バネ指などは、日常生活で使い続けている指や手首、前腕の筋肉の疲労からも影響します。指や手首、前腕には必要なリカバリー法“のばす・ほぐす・はがす”が存在しますが、それらを行わずに日々を過ごす事は、疲労の蓄積に繋がり、故障の原因になっていると言っても過言ではありません。また猫背やストレートネックも手首に影響する事から、正しい姿勢には常に意識が必要になります。

回復の考え方

前腕、手首、手指だけのリカバリーと共に、前部では手の平~上腕二頭筋~大胸筋、後部では手の甲~上腕三頭筋~広背筋~頚部に繋がっている筋肉及び筋膜のメカニズムを理解したリカバリーが回復を早めます。 また手指や前腕部の痺れがある場合、デルマトーム ※1 における頚椎からの神経支配を理解しながらリカバリーする事も重要になります。

※1 脊髄神経が影響する皮膚の感覚領域